SSブログ
アメリカの機関車 ブログトップ

Amtrak AEM-7 #901 Phase-III(ATLAS #85711) [アメリカの機関車]

DSC_2446-1272.png

Amtrak(全米鉄道旅客公社)で、ほぼ唯一の自社路線かつ電化路線である北東回廊線で活躍した電気機関車AEM-7です。老朽化の進む旧ペンシルバニア鉄道のGG-1と、その後継機でありながら失敗に終わったE60の置き換え用に登場した機関車です。GG-1やE60の半分くらいの大きさの機関車がきびきび走る姿から、アニメのキャラクターになぞらえて、登場時はマイティーマウスと呼ばれた様です。

当時のアメリカでは、旅客用電気機関車を新たに開発する技術が失われていたのかもしれません。1976~1977年にかけてヨーロッパの最新電気機関車(フランスとスウエーデン)を借り入れてテストをおこない、軍配のあがったスウエーデン国鉄Rc4(ASEA製)をベースに開発されています。

ステンレス車体は米国Budd製、主要電装機器はASEA製、それをEMD(ゼネラルモーターズ)の工場で組み立てています。Amtrakも、E60の失敗でGE(ゼネラルエレクトリック)を敬遠したのか、電気機関車をほとんど作っていなかったEMDに発注しています。MARC(メリーランド交通局)、SEPTA(南東ペンシルベニア交通局)でも色違いの同型機が導入されています。

写真をよく見て頂くと、左側の台車、その右横に金色の鐘がぶらさがっています。模型ではダミーですが、駅での発車・入線時や駅を通過するときの警報として「カンカンカン・・・」と踏切の様な連打音を発します。動画投稿サイトなどで、その音を確認することができます。

実機の登場は1978年ですが、HOゲージの模型が登場したのは20年以上過ぎてからです。アムフリート客車は先に手に入れていたので、待ちわびていた製品がようやく登場したという感じでした。ご存知の様にアメリカはディーゼル機関車大国なので、模型のニーズもディーゼル機関車が中心になるのでしょう。

この模型はパンタグラフのギミックがすばらしいです。ロックのツメなどがなく、部品のバネ性とテコの原理で、持ち上げると上昇したまま、下げるとたたんだままの状態をキープする様になっています。色違いのPhase-IVスキームの製品も発売されていますが、個人的にはこのPhase-IIIの色目が気に入っています。

この機関車登場と前後して、Amtrakも客車の塗色をオランダ国旗の様な赤白青の等幅ストライプ(Phase-III)に改めています。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

PRR GG-1 #4856(IHC M9656) [アメリカの機関車]

DSC_0000_COVER-1271.png
世界的にも有名な、ペンシルバニア鉄道(PRR)の交流電気機関車GG-1です。
模型の写真ではわかりにくいですが、車体寸法だけでもマンモス級です。写真の運転室のドアに注目して下さい。ドアから長い梯子が伸びています。実際の寸法を書くと、車体長24.3m、車体高(パンタ折り畳み高さ)4.57m、車幅3.15m。100系新幹線の2階建車輌と、ほぼ同じ大きさになります。運転手さんは長い梯子を上って、2階の位置にある運転室に入っていたのでしょう。

DSC_2430-1269.png

ペンシルバニア鉄道は架線高さが7mほどあるので、たたんであるパンタグラフが小型乗用車1台分くらいの大きさになります。
 
GG-1の登場は1934年(日本のEF55が1936年)、しかも交流電気機関車です。当時、世界最大の鉄道会社だったペンシルバニア鉄道の豊富な資金力と、ボールドウィン、ウエスチングハウス、ゼネラル・エレクトリックといった当時の機関車・電装メーカーの技術力をもって開発されたのでしょう。ステンレス製のプルマン客車を20輌ほど牽引して、最高速度160km/hでニューヨーク~ワシントン間を3時間ほどで駆け抜けていたというのですから驚きです。
 
踏切事故から乗員を守るためのセンターキャブ、その視界を確保しながら優美な曲面とストライプ塗装でまとめ上げられたボディーの造形。まだ日本には工業デザインという言葉さえ存在しなかった時代に、工業デザイナーのレイモンド・ローウィー(日本ではタバコのピースのパッケージデザインで有名です)が、監修したことでも知られています。
登場から40年以上、アメリカの旅客鉄道の黄金期から落日、そしてAmtrak発足までを走り続けたので、塗色だけでも10種類以上あります。個人的にはこのタスカンレッド(赤茶色)+5本ストライプのPRRの初期塗装が気にいっています。
 
この模型はIHC製。2000年ごろに個人輸入したものになります。当時は日本の模型店でも輸入されていて、キャノン製モーターへの交換サービスもおこなわれていた様です。
 
GG-1のHOモデルは古くはリバロッシ製が、最近になってブロードウェイリミテッドやメルクリン/TRIXが、すぐれた製品を発売しています(Nゲージでは日本のKATOが発売しています)。私も次は、ダイキャストボディのメルクリン/TRIX製のダークグリーンのモデルを手に入れたいと思っています。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
アメリカの機関車 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。