世界的にも有名な、ペンシルバニア鉄道(PRR)の交流電気機関車GG-1です。

模型の写真ではわかりにくいですが、車体寸法だけでもマンモス級です。写真の運転室のドアに注目して下さい。ドアから長い梯子が伸びています。実際の寸法を書くと、車体長24.3m、車体高(パンタ折り畳み高さ)4.57m、車幅3.15m。100系新幹線の2階建車輌と、ほぼ同じ大きさになります。運転手さんは長い梯子を上って、2階の位置にある運転室に入っていたのでしょう。



ペンシルバニア鉄道は架線高さが7mほどあるので、たたんであるパンタグラフが小型乗用車1台分くらいの大きさになります。

 


GG-1の登場は1934年(日本のEF55が1936年)、しかも交流電気機関車です。当時、世界最大の鉄道会社だったペンシルバニア鉄道の豊富な資金力と、ボールドウィン、ウエスチングハウス、ゼネラル・エレクトリックといった当時の機関車・電装メーカーの技術力をもって開発されたのでしょう。ステンレス製のプルマン客車を20輌ほど牽引して、最高速度160km/hでニューヨーク~ワシントン間を3時間ほどで駆け抜けていたというのですから驚きです。

 

踏切事故から乗員を守るためのセンターキャブ、その視界を確保しながら優美な曲面とストライプ塗装でまとめ上げられたボディーの造形。まだ日本には工業デザインという言葉さえ存在しなかった時代に、工業デザイナーのレイモンド・ローウィー(日本ではタバコのピースのパッケージデザインで有名です)が、監修したことでも知られています。

登場から40年以上、アメリカの旅客鉄道の黄金期から落日、そしてAmtrak発足までを走り続けたので、塗色だけでも10種類以上あります。個人的にはこのタスカンレッド(赤茶色)+5本ストライプのPRRの初期塗装が気にいっています。

 

この模型はIHC製。2000年ごろに個人輸入したものになります。当時は日本の模型店でも輸入されていて、キャノン製モーターへの交換サービスもおこなわれていた様です。

 

GG-1のHOモデルは古くはリバロッシ製が、最近になってブロードウェイリミテッドやメルクリン/TRIXが、すぐれた製品を発売しています(Nゲージでは日本のKATOが発売しています)。私も次は、ダイキャストボディのメルクリン/TRIX製のダークグリーンのモデルを手に入れたいと思っています。